能に学ぶ

伝統文化「能」に触れ、自分の中心軸を確立し、こころとからだを整える

そもそも、芸能とは、諸人の心を和らげて、
上下の感をなさんこと、寿福増長の基、
遐齢延年の法なるべし。
きはめきはめては、諸道ことごとく
寿福延長ならんとなり。
世阿弥「風姿花伝 第五 奥義(三)」

健康能楽の実践~身体の健康と心の調和を求めて~

超高齢化社会を迎え、現代を生きる多くの方々が抱える、心身の悩みを、能を体感することで和らげ、健康で幸せな人生を過ごしていただきたいと思います。
能には、生死を超える不思議な力があります。人間が、人生の最期に臨んで抱く、恐れや不安、杞憂を解き放ち、安心して旅立っていけるのではないかと思います。
また、将来を担う若い人たちにも、能の素晴らしさに親しんでいただきたいと思います。子育て中のお母さんがたには、ぜひお子さん同伴でお稽古に来られることをお勧めします。
先入観のないお子さんには、能が自然と目や耳に触れ、水が浸透するかのように心身に吸収されます。

実際、親子連れで通われている方も、お子さんが嬉々として謡や舞を覚えて実践していることに、驚かされます。
世阿弥から伝統文化という形で代々伝えられてきた能の素晴らしさ。
人として生きる力を得られる能。
人生最期の杞憂から解放される能。
まさに「人の心を和らげ寿福を増長する」と言わしめる能の素晴らしき魅力を「健康能楽」の活動を通じ、より多くの方々にお伝えすると同時に、次の世代に伝承していきたいと思います。

摺り足

お能の動作である「摺り足」は、身体の深層筋・大腰筋を目覚めさせる効果があり、体軸を安定させ、身体をよりしなやかな状態に導きます。全身の部位に反射するツボが集中している足裏を摺り、脳がその感覚を感知することによって全身が活性化します。筋肉が衰えた高齢の方でも、舞のお稽古を通して、きびきびと動けるようになった例もあります。

能の「謡」の発声法は、七五調の響きの美しさを表現しながら、腹式呼吸による長い息を繰り返しますので、「長生き」にも通じると言われています。瞑想呼吸法も取り入れ、息を長く吐くという意識を向けることによって、精神的な安定を得ることができます。

 

能のゆっくりとした動きや発声法は、副交感神経を刺激しますので、心身が安らぎ、自然治癒力を高めることにつながります。
健康能楽では日常生活のなかで、誰もが実践できる摺り足と謡に焦点を当てて指導しております。

日頃の生活環境のなかで、摺り足や謡の稽古によって、身体能力を高め、心を和らげることが、健康能楽実践の原点であると思います。

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